眠れない症状を引き起こす不安障害

・不安と睡眠の関係
仕事や家庭問題などの強い心理的なストレスは、不眠を引き起こします。
床についてからも無意識に不安要素について考えてしまい、なかなか寝つくことができないからです。
また、夢の中でも不安なことを思い描いてしまって意識が覚醒し、早朝覚醒や中途覚醒を繰り返すこともあります。
そして眠れないこと自体も不安材料の一つとなり、さらに眠れなくなるという悪循環に陥ります。

・不安障害とは
不眠の原因ともなる不安障害は、不安を主症状とする精神疾患の総称です。その一例として、「パニック障害」「社会不安障害」「脅迫性障害」「外傷後ストレス障害(PTSD)」「全般性不安障害」があります。
患者の不安には、トラウマ体験によるものや体の病気によるもの、物質によるものなど、さまざまな要素が含まれています。中でもパニック障害は、不安が典型的な形をとって現れるため、不安障害を代表する疾患といえるでしょう。

・パニック障害
パニック障害は、突然理由もなく動悸やめまい、発汗、吐き気、窒息感、手足の震えなどの発作を起こす障害です。
これらの症状が原因となって、日常生活に支障をきたします。
患者にとってパニック発作は、死んでしまうのではないかと思うほどの強い発作です。
また苦しむのではないかという不安から、発作の起きやすいシチュエーションを避けるようになります。
特に、エレベーターや電車内などの閉鎖的空間で「逃げられない」と強い恐怖を感じて、外出困難になるケースもあります。
パニック障害では、薬物療法に加えて心理療法も行われます。

・社会不安障害
社会不安障害は、人に注目されることや人前で恥をかくことへの恐怖感から、
人と話すことだけではなく、電車やバス、繁華街など人が多くいる場所へ行くことに強い苦痛を感じる障害です。
恐怖感のあまり、パニック発作を起こすケースもあります。
社会不安障害では、患者本人が自身の強い不安感に対しておかしいと感じていながらも、その不安を抑えることが困難になります。そのまま治療せずにいると、恐怖を感じる状況に耐えながら生活したり、外出を避けるようになったりします。

・強迫性障害
極端に強迫性が強くなってしまう障害です。
たとえば、「過剰に手を洗い続ける」「火元や戸締りを何度も確認してしまう」「階段や電信柱など、ふと気になったものはすぐに数字を数えてしまう」などの症状があります。
患者本人も、不合理な行動だと分かっています。それでもそうしなくてはいられない、いわゆる「強迫行為」の繰り返しに多くの時間をかけることで、社会生活に影響が出てしまいます。

・外傷後ストレス障害(PTSD)
過去に強烈なショック体験や強い精神的ストレスを受けて、それが心のダメージとなり、時間が経過してからもその経験に強い恐怖を感じるタイプの障害です。
ショック体験の一例としては、自然災害や火事、事故、暴力や犯罪被害などが挙げられます。
突然恐怖体験を思い出したり、不安や緊張が続いたりするほか、頭痛やめまい、不眠などの症状が現れます。
つらい体験をすれば、誰もが一時的にこのような症状を呈します。しかしそれが何ヶ月も、何年も続く場合は、外傷後ストレス障害のおそれがあります。

・全般性不安障害
学校のことや家族のこと、友人のこと、職場のことなどが気になり、極度の不安を抱えて心配になる状態が半年以上続く障害です。
不安症状だけではなく、落ち着きがなかったり、疲れやすかったりするほか、集中力の低下、イライラの継続、筋肉の緊張、不眠などの症状が現れます。