あらゆる行動の原動力、メンタルって何?

あらゆる行動の原動力、メンタルって何?

 

近ごろ、ことあるごとに「メンタル」という言葉が使われます。

傷つきやすい人のことを「豆腐メンタル」と呼んだり、心のバランスを崩して「メンタル崩壊した」と言ったりなど。
人を揶揄するときに「メンタル」という言葉を使うこともあります。
「強いメンタルがほしい」「メンタル弱い」などもよく聞きます。

そもそもメンタルとは何のことでしょう。
心のことでしょうか。
だとしたら、「心」と言えばよいのに、それとは別に「メンタル」という表現があるのはなぜなのでしょう。

今回は、多くの人に親しまれながら実は正体の曖昧な、「メンタル」という言葉の意味について紹介します。

 

まずは、言葉自体の意味を考えてみましょう。
「メンタル」とは、英単語「mental」をカタカナ表記したもので、精神的な、心理的な、といった意味をもちます。
これは、名詞を説明する形容詞なのです。
実際多くの場合、「メンタル-ヘルス」「メンタ-リスト」というように、後ろに単語が続いたり、単語にするために変形させて使われたりするようです。

一方日本語においては、「メンタル」という単語として使われることも多い言葉です。
先ほど例に出した「豆腐メンタル」も、「メンタル」を名詞として使っています。
日本で使われるメンタルには、独自の意味がありそうです。

 

使用例から考えてみましょう。

たとえば、メンタルが強い、あるいは弱いといった表現があります。
これらには、どのような意味があるでしょうか。

メンタルが強い、と言われて想像するのは、ポジティブな力強いイメージです。
前向きな人や、常に平常心でいられる人、努力を続けられる人。
あるいは、我が強く、自分を曲げられない人のことをいうこともあります。
憧れの対象として使われることが多いということもできます。
仕事ができる人のことを「あの人はメンタルが強くて羨ましい」と言ったり、
「自分ももっとメンタルを鍛えて強くしたい」と言ったりするように、良いものや望ましいものとして扱われる傾向があります。

 

一方、メンタルが弱い、と言った場合、そこにはネガティブな脆いイメージがつきまといます。
他人の目を気にしがちで、自分というものを確立していない、根無し草のような人を非難して言うことがあります。
物事を悪い方へと考え、自信をなくしてしまいがちだったり、落ち込むとなかなか立ち直れなかったり、ストレスや圧力、外部からの刺激に弱かったりするときも、「メンタルが弱い」と表現されます。
積極性やパワーに欠ける場合もまた、同じように言われます。
あまりよい意味で使われることはないようです。

 

他にも、怒りや悲しみで我を忘れてしまった状態を、「メンタルが崩壊する」と表現します。
ひとりで抱えるにはあまりに大きすぎる感情に振り回されて、泣き崩れてしまったり、暴れてしまったり、逆に廃人のようにぼうっとしてしまったり。

 

これらの使用例からみえてくるのは、私たちの中にある精神や心、行動などをとりまとめる「何か」が、「メンタル」という言葉で表現されている、ということです。実際、メンタルは「思考・感情・行動」の3つで構成されている、と唱える人もいます。

 

確かに、物事を考える方向を決めたり、努力をしたりするのは「思考」の役割です。
思考の力が弱ければ、必要以上に悪い方向に考えてしまったり、なかなか努力が続かなかったりしてしまいそうです。逆に思考力が豊かであれば、さまざまなことに前向きに挑戦できそうです。

 

感情が安定している人のことを「メンタルが強い」と言うように、「感情」はいうまでもなく、メンタルの指標のひとつです。
何かをしよう、と心で感じられるのも、感情が動くからです。
感動的な映画を見て自分も同じように行動したくなるのは、「感動」という感情の揺さぶりがあってのことです。何かに疲れ果て、感情が無になるようなことがあれば、行動することも思考することもできません。
それはまさに、「メンタルが崩壊した」状態といえるでしょう。

 

行動は他のふたつと比べると、少し異質なものに思えるかもしれません。
しかし、「行動」はメンタルの重要な要素であり、さらに思考や感情に働きかけを行うことさえあるのです。
たとえば、いくら思考力が弱っていて何も考えられなくても、習慣として体に染み付いた行動は持続することができます。
スポーツ選手のトレーニングに定められたルーティンワークがあるのは、こういった理由によるものであり、
思考力の具合に関係なく、行動を促すことができるといえます。
さらには感情が不安定なとき、運動をする、行動をするなどにより、感情の安定がもたらされる場合もあります。
これは、行動が感情に影響を与えている好例といえるでしょう。

思考、感情、行動に支えられた、精神と心につながる目に見えない存在、それが「メンタル」のようです。

 

次に、メンタルを強くする方法を通して、メンタルについてもう少し考えてみましょう。

ノートに考えをあらいざらい書き出すという手法は、メンタル強化の方法のひとつです。
紙とペンがあればすぐできるので、今すぐでも始められます。だれにも言えない悩みや、今後の行動計画などを書くのに適しています。
「思考」を整理し、「感情」を吐き出し安定させ、「行動」を具体化することで、メンタルの3要素にまんべんなく働きかけることができます。

自分の心の中が整理できたら、次は机の周りなど、部屋の整理整頓もしてみてください。
必要なものとそうでないものを見極め、無用な刺激を減らすことで、思考が統一され、感情も安定するはずです。
邪魔なものが少なくなり、行動もしやすくなることでしょう。

 

瞑想をして頭の中をリセットする、というのもメンタル強化につながります。
何も考えず、心を無にして、目を閉じる、これがポイントです。
何かをひたすら考え続けるのではなく、頭をまるで空っぽにするのです。
思考も、感情も、動きも、そのすべてをゼロにリセットします。
一時的に悩みから背離することで、気持ちの負担を軽くすることができます。

 

適度な休憩も、欠かせません。
一見サボッているような感じをいだくかもしれませんが、
心の余裕を保つためにも大切です。
好きな音楽を聞いたり、本を読んだり、映画を見たり、日常から一時的に自分を切り離しましょう。
思考が日常から離れると、感情も一緒に落ち着いてくるはずです。
それが次に行動するときの参考になることもあるでしょう。
友達と会って話をしたり、マッサージ施設でリラクゼーションしたりするのも、日常から自分を切り離すのに有効な手段です。

 

運動、睡眠、食事。日常の生活習慣を見直すことは、メンタル強化の基本中の基本です。

運動は、睡眠を質の良いものにするだけでなく、感情の安定や思考の活性化に役立ちます。
運動でお腹が空けば、食事もより豊かなものになるでしょう。
もちろん、栄養バランスも忘れてはいけません。
栄養素が欠けることで、ふらついたり、イライラしたりすることがあります。
食生活は、感情のありようにも密接に関わっているのです。
睡眠は、疲れをとるための唯一の手段です。
たまった疲れは免疫力を低下させ、結果的に体にも心にも悪影響を及ぼします。
こまめに睡眠不足を解消して、疲れをとり、リフレッシュしましょう。

 

このように、メンタルを強く保つには、さまざまな要素との結びつきを考えなければなりません。そのすべてを今すぐ行おうと思うのには、少々無理がありそうです。

まずは、自分のできそうなところから始めてみましょう。

そうすれば、自分が強くなった部分、すなわち「メンタル」が何なのかがわかってくるはずです。

 

いかがでしたでしょうか。
自分の中の「メンタル」が何なのか、なんとなくつかむことができたでしょうか。
「メンタル」と聞くと、どうしても「精神的な病」を連想する部分があるかもしれませんが、そうとは限らないようです。
それは人を構成する大切な要素のひとつであり、パラメーターでもあるのかもしれません。

今一度、自分のメンタルを見つめ直し、生活に役立ててみてください。