配慮して退職したとしても『労基所』は動く、という実例

一般的には、次年度の進退等について申し出などが

でてくる時期かと思います。私の関わる法人では通常あまり

退職者がいませんが、数年前に一人、困った退職がありました。

 

法人経営者でもあり、公認心理師、臨床心理士、

キャリアコンサルタントでもある筆者が

『退職を希望した社員さんとの面談で注意すべき点』

についてお話します。

 

◆こちらの記事はこんな方にお勧めです

〇年度末での退職希望者がでている

退職後になってもめたケースがある

労基署から電話が来た時の対処

 

2021年も、いよいよ年末となってきました。

年度単位で業務を区切っている会社さんなどでは、この時期は

次年度の意向調査などが行われているかもしれません。

 

私が理事長を務めている法人でも、次年度に向けて、

職員の面接を行い、現在までの業務評価や、

次年度の意向について面談をしているところです。

 

「数年前にあった退職者」の事例

 

例年は、まったく退職者がないのですが、今年は一人、

退職者が出ていました。この話題については、後日まとめて

お話しするとして、今回は、『数年前にあった退職者』で、

ちょっとこじれた事例について、個人情報に配慮し、

必要な脚色をしながらご紹介したいと思います。

 

新年度がある程度落ち着いた、6月ころだったでしょうか。

事業所が所在する県内の労働基準監督署から

電話が入りました。

 

『そちらの事業所をやめた職員から、残業代の未払いについて

相談があったので確認をしたい』

 

まさに、何の前触れもなく、いきなりの電話がきます。

そして、全職員のタイムカード、給与支払いがわかる書類等

について、労基署の訪問までに準備するように伝えられます。

 

私を含め、現場の事務方としては「あー・・・あの人だ」

とある元職員の方の顔が浮かびます。

 

その元職員は、事業所が運営する施設の利用者に対して

度重なる暴言があり、面接や指導を何度もおこなったものの、

衝動的に発する暴言、乱暴な接し方が改まらず、本人と面談を

繰り返したうえで、退職となった、そんな職員がいたのです。

本来であれば、懲戒免職もあったところを、

本人への配慮や資格のこともあるだろうと、

自己都合退職として、職場を去られた方でした。

 

実際に労基署の方が、事業所に来られて

一通りチェックして、問題がないとわかったところで、

こちらで見当がついていることも分かったのか、

『ある元職員の方から、不当に辞めさせられた

という話があった』

とのことで、こちらもその経緯についてお話をしました。

 

『なるほど、そういうことだったのですね』

と、事業所で残していた記録等を出すことで

理解していただけたようです。

 

どうして、こうしたことになったか、というと、

まず、退職した職員は、次の職を探すために、

ハローワーク等に出向いたわけです。

通常、私の事業所をやめるような方は、ご家族の都合などで

引っ越しをしたり、結婚、出産などでいったん職を離れたり

する方が多いのですが、今回の場合、

退職後に次の仕事を探しに行った、と言うことでしょう。

 

そこで、この元職員は、『同業種』の職業を探した

ということになります。こちらの事業所としては、

本来は適切ではないと考えますが、あくまでも自己都合退職

ですので、そうした職業選択はできたのでしょう。

 

そうしますと

「前の職場と同業種ですが、どうして退職されたんですか」

という質問が担当官からあるのでしょう。その際に、

「自分の不適切な業務態度を指導されて辞めた」

とは言えないでしょうから「辞めさせられた」

ということになったのかもしれません。

 

こちらとしては、配慮のつもりが、

かえって面倒なことに巻き込まれた印象もあり、

また同業種に戻るということは、また類似の対応が生じて、

利用する方に被害が出るのでは、、、

と、大変困惑した事例でした。

 

まとめ

 

様々な理由で、退職される方がいることと思いますが

その際に、もし面談をする機会を持つとしたら

しっかりとこれまでの仕事について、

ねぎらうことはもちろんですが「辞める理由」についても、

会社のこととして可能な限り把握し、

もしも、何らかの不満があるとしたら、

しっかりと解消した状態で会社を去っていただき

また、もしもの場合に備えて、

面談や対応の資料を残しておきましょう。

 

また、厳しいように聞こえるかもしれませんが

業務評価や、懲戒については、客観的な記録と、

信賞必罰を徹底しておくことが大切です。

 

事業所としては、退職した職員のほとんどは円満に退職し、

戻ってくる職員も少なくないので、

こうした事例はまれなのですが、労基署さんというのは、

そういうことは関係なくいらっしゃるので、

どちらの会社さんでもいつ来られてもいいように、

この時期の面談も、意識して行っておくとよいかもしれません。

 

KIRIHARE所属 臨床心理士

 

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