職場でよくある『個人的相談』でトラブルにならないルール

 

職場での「個人的な付き合い」というのは、

今ではなかなか難しいものになってきました。

私自身が心理職ということもあり、時々『個人的相談』

持ちかけてくる従業員も珍しくありません。

 

法人経営者でもあり、公認心理師、臨床心理士、

キャリアコンサルタントでもある筆者が

『職場でよくある『個人的相談』でトラブルにならないルール』

についてお話します。

 

◆こちらの記事はこんな方にお勧めです

〇職員のプライバシーに立ち入らざるを得ない場合の線引き

〇相談されたときは「傾聴」しないといけないのか

〇相談されていた内容が複雑になってしまったら

 

「病気」と「悩み」の相談

心理職とかカウンセラーをしていますと

大きく分けて2種類のお話があります。

 

ひとつは、「病気」に関することで

こういう場合の心理職の役割は、「アセスメント」といって、

心理検査などを実施する場合がひとつ

 

そのアセスメントの結果、カウンセリングや心理療法として

心理面接をする場合がひとつ。

 

もう一つは

精神、心理的には「病気」ではないけれども、

本人が「悩んでいる」という場合に、そのお話を聞く場合です。

例えば、子育てについて、夫婦関係について、

嫁姑関係について、職業の適性について、などなど、

「悩み」という範疇は非常に広いです。

 

最近、いろいろなところで批判されているように

「カウンセラーが『助言』をしない」

ということが問題になっています。

 

これは「非指示的カウンセリング」というものが、

日本の心理教育の中でやけに重視されているためですが、

間違ってはいけない点としては

別に、指示をしてはいけないわけではないのです。

 

「悩み」を聞くカウンセラーの態度が「傾聴」なのは

自己解決に導く、ということもありますが

トラブルを防ぐ、という効果もあるためです。

 

指示的療法はしてはいけないのか

 

アドバイス、助言をすると、

その方は「自分で考える」ということをしません。

 

せっかく目の前の悩みに向き合うことで

成長する機会があるのに、

それをしないで解決してしまうことになるからです。

 

とはいえ

このままでは乗り越えられないかもしれないという見立てが

あれば、指示的療法ももちろん選択肢にはあるのです。

 

やり方によっては「課題」を出すという方法もあります。

ただし、難点はうまくいかなかったときです。

「次はどうしたらいいですか」

「で、次はどうしたらいいんですか??」

「うまくいかないんですけど、先生はほんとにわたしのことを

わかってくれてるんですか?」

というように、悩みを解決しようとしているだけなのに

カウンセラーと相談者の関係そのものが

問題になることも出てくるのです。

 

相談にどう対応するのか

 

ここまでお話しするとわかるかと思いますが

従業員の方との「個人的相談」というのは、人間関係上、

もちろん相談に乗っても構わないですし、

その際に「傾聴」をしてもいいでしょう。

場合によっては「助言」したり、

「経験を話す」ということも構いません。

 

気を付けたい点は

「関係が対等か」

という点を常に意識してください。

アドバイスをしたとしても、

そこに上下関係が生じないようにしましょう。

 

ちょっと簡単なルールをお伝えしておきますと

一番最初に相談を受けたら

「3回くらいは話を聞くよ」

と言っておくと良いでしょう。 

 

そうすると、もし3回話を聞いて、

あれこれ助言してもうまくいかなかったときには

 

「ごめん! 3回も話を聞いたのに、

このことについては力不足みたいだから、

カウンセラーとかに話をしてみたらどうだろう」

 

と、それ以上、継続しないようにすることができます。

 

こうしたことを、カウンセリングでは

「枠をつくる」といいます。

また、回数を制限することで、

相談をする側も回数を意識しますから

案外3回目で改善したりすることもあるものですよ。

 

職場の方に相談を受けることが多いときは、

試してみてください。

 

KIRIHARE所属 臨床心理士

 

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